夜の街歩き
夜のきらびやかな電気街。ひとりずーと周回したり興味の引くお店に入ったり行き交う人を眺めながら時間を潰す。なんと贅沢な時間。
ちょうど今、秋葉原駅前の広場でこの文章を考えながら書いているところだ。時刻は19時。10月下旬のちょっぴり肌寒い秋風。少し前まではまだ明るかったのに。
仕事を辞めて地元へ帰る前日。朝一の新幹線に乗るから東京駅近くのネットカフェで一泊してもいいかと思い。とりあえず秋葉原へ来た。アパートも退去したから帰る場所がない。
一時期は毎週のように秋葉原の街を歩いていたので大体土地勘ができてしまった。とはいえまだまだ知らないお店もある。
パソコンパーツから電化製品。ゲームソフトからフィギュア、キーホルダー、えっちな本まで……オタクの欲望が満たされるこの街は私にとっては歩くだけでたのしい。
歩行者天国で人が埋め尽くされる日曜日のお昼もいいけど人がすくなっていく夜の電気街も良い。
ただし、夜になるにつれ客引きのお姉さんが増えていき強引になっていく。数mごとに立っている客引きのお姉さん。
話しかけられても決して応じない。秋葉原の歩き方のただ一つの鉄則。
駅前でギターの音色が聞こえるストリートライブ。駅の自動放送が響く電気街改札。
大阪遠征で日本橋のでんでんタウンを歩いた次の日には秋葉原に居たことがある私。今度は名古屋・大須かな。
夜の街中散歩は意外と楽しい。治安の悪い無法地帯だからかもしれない。お金、再就職、人生……嫌なことを忘れさせてくれる。
とはいえ、警戒して歩かないと犯罪やぼったくりなどの危険に遭ってしまう。オタクは狙われやすいからね。無理のない範囲で楽しんで危険を感じたらすぐ逃げよう。
8月に函館へ帰ってきたさいに中学からの友達4人と夜の11時ぐらいから繁華街で仕事の事やカレカノのことについてだべりながらご飯を食べて朝までカラオケに行った。大人になったから補導を気にせず遊んでた。新宿のトー横も複雑な家庭環境の少年少女達が集まっていると聞いたことがある。家出をして繁華街に集まる子供と終電を逃して朝まで過ごす大人。こんな深夜に出歩くのは私と同じように何か事情があるのかもしれない。